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ポジショニングと重心移動

2008.07.02 Wednesday 21:56 | ピアノレッスン

今年も後半開始。湿度が高く、過ごしにくい1日でした。

■ショパン 12の練習曲op.10 第8番ヘ長調
今日のテーマは「ポジショニング」です。このop.10-8は、右手の長い上行&下行アルペジオに乗って、左手が軽快な付点のリズムを奏でます。問題となるのは、右手の下行アルペジオ。
というのも、右手がどんどん左に下行していくにつれ、私はだんだん後ろへ重心が移動し、腕は突っ張ってしまう始末。この状態では、再び上行アルペジオに転じる時、非常に困難を伴います。

また、過剰に下行時に左に重心移動をしても、上手くは行きません。というのも、このop.10-8は鍵盤を大変広く使う上、左手はそれほど極端に動く訳ではありません。なのに重心をひっきりなしに右に左に移動させていたら、左手の跳躍もまともに行かなくなります。

そこで、yuka先生は私にハ長調のスケールを弾くように言われました。ハノン39番の、あれです。そうすると、重心は軽く左右に移動するのみで、またショパンop.10-8を弾く時のように、変に前後に移動する事もありません。

左右方向へは、このハノンのスケール以上に移動する場合はまずないとの事。また、スケールだけではなく、ハノン41のアルペジオで、「下行する時にも後ろに逃げない」練習をするように言われました。

それにしても、最初から最後まで同じ事をやっているツェルニーの練習曲と違い、ショパンの練習曲は、複雑で多彩な課題が山盛り。かつ、右手と左手に別の課題があって、もうその苦労は半端ではありません。

その分、得るものも大きいでしょうし、課題がたくさんある分、同じ曲をずっとやっていても、少しずつ前進している感覚があり、「停滞感」は決してありませんん。この辺りが、ショパンの練習曲の見事な作りなのでしょうね。

ポジショニングを課題として、練習に励もうと思います。

■バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻 第3番ハ短調フーガ
ショパンのテーマがポジショニングなら、こちらは「的確で俊敏な重心移動」。

バッハを始めとするポリフォニーの音楽が難しいのは、右手と左手がまるで無関係に動くところにあり、二声のインヴェンションも、まずそこで苦労するんですが、三声にいくと、別の苦労が増える事になります。

すなわち、三声あるのに腕は2本。どちらかの手では二声を受け持たないといけなくなるのです。これが三声の難しさの1つ。

そして、平均律1-3フーガの前半は、ある程度形になってきました。ところが後半がなかなか上手くいきません。明らかに前半より難易度が上がっている気がします。

よくよく楽譜を眺めれば、後半が難しいのも道理です。前半は、片手で二声と言えど、片方の声部ともう片方の声部のリズムが同じ箇所がほとんどです。

分かりやすく言えば、指遣い「35-24-13」で「ソミ−ファレ−ミド」と弾くような感じ。これだって、立派な「片手二声」です。そして、このくらいであれば別に苦労はしません。リズムにはどこにも難しいところがないんですからね。

ところが、1-3フーガの後半に入ると「リズムの違う片手二声」が頻発します。1本の手の、右側と左側で、異なるリズムを刻まなければならない。これが難しいのです。

例えば、1を保持しつつ「5453」で「ソファソッミッ」(前半2つの音は十六分音符、後半2つは八分音符スタッカートだと思ってください)。これが単体で来るならいいんですが、困った事に、連続で、しかも「さっきまで1を保持して345でスタッカートを刻んでいたと思ったら、次は5を保持して123でスタッカート」になったり、もうぐちゃぐちゃ。

しかもこの曲は、一部を除いて三声の全てがスタッカート。これがまた難易度を上げています(全部レガートでいいなら、既に仕上がってると思う(笑))。

こう言う場合は、素早い重心移動が決め手になります。つまり1を保持して345が移動する場合は1に重心移動し、345のスタッカートは指というより手首を使って軽快に。直後に5を保持し、123がスタッカートになる場合は、すぐに5に重心移動をして、今の逆をやります。これが頻繁に連続で出て来るので、何も考えなくても手首が素早く反応するように練習する必要があります。

そして、こういうテクニックがあるかどうかで、ショパンの他の曲や、もちろんベートーヴェンの「悲愴」の第2楽章とか、そういう曲の仕上がりに大差が出るそうです。「ピアノを弾くなら、バッハは絶対避けては通れない」そうですが、その一端を今日は垣間みた気がします。

今回は、時間が足りなくなってモーツァルトはなし。つまり1曲に30分かけた訳で、非常に内容が濃く、課題も沢山いただいたレッスンでした。課題が浮き彫りになると、練習にも意欲を持って取り組める気がします。

また、8月の演奏会で、次回の発表会用の六手連弾曲の試し弾きをしていただく予定なので、「編曲にそろそろ取りかかってください」とお願いされました。こちらは、肩肘はらず楽しく聴ける曲にするつもり。

暑くなる季節ですが、有意義に乗り切りたいですね。
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