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■カレイドスコープ制作裏話

【カレイドスコープ】 ■制作者/NaGISA(ダウンロード
■容量/8.7MB

天野めぐみは普通の高校2年生。優しい幼なじみの青年梓や、親友和美と楽しい日々を送っていた。ところがある日めぐみは交通事故に遭い、一命を取り留めたものの、下半身不随になってしまう。傷つき、落ち込むめぐみは、様々な人との心の触れ合いを通じ、やがて強く成長する…。めぐみの成長を描いたデジタルノベル。

■前へ進む勇気を 貴方へ

この作品は、2003年の11月に作ろうと思い立ち、およそ8ヶ月かけて、テキスト、スクリプト、音楽、背景の大半など、ほとんど全てを私1人で作りました。公開当初は2chのスレッドなどでもスルーされ(笑)、VectorのADV部門ダウンロードランキングはどんどん下がり、総ダウンロード数1,600程度で、私の8ヶ月の苦労はあえなくこのまま闇に沈むかと思われましたが(笑)、「Free Game Awards 2004」へのノミネート、雑誌への掲載、2chまとめページへの掲載、Yahoo!BBプロ番ガイドへの掲載などが一気に重なり、結構多くの方にプレイしていただけるようになったのは嬉しい限りです(VectorダウンロードランキングADV部門最高4位)。

元々この作品は、安直に「不治の病が奇跡的に…」(古くはあのKanonがそうですね)、あるいは安直にキャラを殺して感動を取ろうとするなんてのに嫌気がさしていた私が、「病院を舞台にする」「誰も死なない」「奇跡や超常現象の類いは絶対起こさない」「ラストはハッピーエンドにする」を目標に、一応は医療従事者としての知識を生かしつつ、仕事の合間にちょこちょこと書き上げたものです。

途中、200KB近くまで書いた時にデータが全部消えたり(爆)、BGMの作曲に死にそうになりながらも、何とか完成でき、多くの方にプレイしていただけるのは大変嬉しい事です。てことで、読む人はいないでしょうけど(笑)、制作時の裏話などを色々書いてみようと思います。カレイドスコープ本編を楽しんでいただけた方の、暇つぶしにでもなれば幸いです。

1.キャラの名前編

主人公「天野めぐみ」は、元々は「相原めぐみ」でした。その名字は看護婦の「相原ひろ子」に引き継がれ、「天野」になった訳ですが、完成後に「氷雨」(既に公開停止)というノベルゲームをやったところ、ヒロインの名前が「天野恵」だった事に衝撃を受け、「変えるんじゃなかった」と思ったのは内緒です(笑)。

梓の名前は最初から変わってません。大幅に変わったのは「八重洲和美」。元は「宝塚さつき」と言う、競馬のファンファーレが聞こえてきそうな名前でした(笑)。さすがにそれじゃあんまりなんで「宝塚早智子」になり、そこからなぜか唐突に「八重洲和美」に。名前の由来は特にありません(笑)。で「早智子」の名前はそのまま梓の母親にスライド、と。

片桐先生の名前は、最初は全然考えてませんでした。めぐみが片桐の名前を聞くシーンを書きながら、何となくイメージで「一樹」にしました。そしてラスト近くに登場する老紳士古畑。最初は名無しの「老紳士」のまま通そうかと思ったんですが、さすがに文章を書く上でそれでは無理がある事が判明し(笑)、なんとなく渋めのイメージで「古畑」と付けました。あの刑事ものとは特に関係ありません(を

2.設定編

実は、キャラの設定などは全く決めてません。本編中でも設定に関わりそうな描写は「梓はめぐみよりちょうど頭1つ分背が高い」「めぐみは腰まで届きそうなストレートの黒髪。前髪はまっすぐ切り揃えている」「和美は茶髪のボブカット。背はめぐみより高い」「ひろ子の髪型は清潔そうなショートカット」「めぐみの父、誠はかなり体格が良い」「片桐は医師の仕事を始めてから10年になる」…くらいですか。一応、その他にも和美が梓に憧れている風に書いてみたり、ひろ子の片桐への秘めた想い(笑)みたいなのもちょこっと書いてますが、そこら辺りはご想像にお任せしますと言う事で。

基本設定からしてこんな有様ですから、ましてやスリーサイズだの趣味だの好きな食べ物だの、シナリオを書く上では何ら関係のないどうでもいい設定は一切決めてません(笑)。皆さんで適当に想像をふくらませてやってください。一応、片桐だけは年齢34から36、ひろ子は片桐よりも8歳か9歳下と言うイメージで書いてました。

3.最初はどんな話だったか

カレイドスコープは序章から第七章までの、全8章構成でしたが、当初は序章と第7章がなく、更に途中までは第4章と第5章が一緒になってて、全5章構成でした。つまり開始するといきなりめぐみには既に彼氏がいた訳です。しかし「これじゃインパクトに欠けるよな。まず最初にインパクトを与え、かつ序盤のキャラ説明の意味も兼ねて、序章みたいなものを作ってみよう」と思い、ああなりました。なのであの序章は「キャラ紹介&第1章のフェイク」です(笑)。

そして、当初はサッカー少年の明も存在せず、めぐみは別の下半身不随で車椅子生活の女性との交流で立ち直る、というものでした。しかしこれだと、どうやってもラストの車椅子マラソンに話が繋がらず、苦心の末片足を切断した少年との交流から立ち直り、今度は彼に力を与えるために…という今の展開になりました。

が、明は最初は既に足を切断した状態だったんですよ。それを見ためぐみが、あっさり悔い改めると(笑)。さすがにあそこまで徹底的に沈んだのに、そうそうあっさり立ち直ったらいかんだろ、という事で、その頃の第4章を2つに分割。更にはめぐみが車椅子マラソンに挑む理由にも明を絡ませ、それを描いた第7章を追加。それでああいった現在の形になりました。

当初と変わったと言えば、第1章の梓の回想シーン。最初は本当に何て事ないただの回想シーンでした(梓が幼いめぐみを病院に連れて行くとか、そんな感じ)。しかし、ラストシーンを書くに至って「ラストを、とにかく綺麗に決める方法はないものか」と思案した結果、「幼い頃の想い出を最後の最後でまた出すってのはどうだろう?」と思いつき、そこからあの「いつまでも一緒にいてあげるフリーパス」を思いつきました。 あの終わり方は、結構綺麗に決まったんじゃないかなあと自分では思ってるんですが、いかがなもんでしょうか?

4.幻の「和美シナリオ」「ひろ子シナリオ」「おまけシナリオ」

当初は、シナリオ分岐を作るつもりだったんですよ。和美とひろ子のそれぞれのシナリオを作ろうと思ってたんですが、考えれば考えるほどにどうしようもない鬱展開になってしまい、やめてしまいました。

一応どんな展開にするつもりだったかと言うと…。和美シナリオは、「下半身不随になっためぐみは、何と史也の子を宿していた。その事を知った史也は行方をくらます。精神的に傷つきながらも梓は史也の行方を懸命に探す。そんな梓を和美も懸命に支え…」な感じ。そしてひろ子シナリオの方は「自分の将来を悲観しためぐみは、何とある日腕だけの力で病院の窓から身を投げて自殺してしまった。失意のどん底に沈む梓を見かねたひろ子が、なんとか梓を立ち直らせようと…」。

どっちも、この上なく酷い話でしょ?書かなくて良かったと思ってます(笑)。一応、個人的には、めぐみが史也と付き合っていた1ヶ月の間に、「そこまでは行っていなかった」と言う事にしてます(笑)。

そしておまけシナリオの方は、クリア後にとある選択肢(具体的には、喫茶店メリーウィドウで和美が「この後私と出かけましょう」というところ」)から、「和美と出かける」を選ぶと、本当に和美と出かけるシーンになります。で、梓と和美は街中でばったりめぐみ&史也と出会い、梓の気持ちも知らずににこにこしているめぐみに、とうとう和美がブチ切れて「荘野さん、そんな子の事は忘れて、私と付き合ってください!」と大胆にも告白する…と言う感じ。途中まで書いてました。当然事故も起こらず、めぐみは下半身不随になりません。そして「おまけモードめぐみエンド」と「おまけモード和美エンド」がありました。が、時間の都合で割愛…。

まあ、私はこの作品で描きたかったのは、あくまで「苦難に直面しためぐみが、様々な人の想いを力に変え、成長していく物語」ですんで、まああれでいいやって事にしてください(笑)。

5.歌詞がある曲

本作で最も苦労したのが、ある意味BGMです。ここだけは意地でも素材に頼りたくなかったんで、全て自作しました。最初は1週間で10曲とか書いてたんですが、ラスト数曲はかなり拷問でした(苦笑)。

なので、「適当な歌詞を考え、歌いながら作曲」なんてのも苦し紛れにやりましたよ。その歌詞をちょっとだけご紹介すると…。「目がさめた?」は、「目が覚めた? 素敵な朝だよ 早く起きなさい まだ眠そうだね(中略 この後からサビ?に)ほら子犬たちが駈けてく 白い雲が流れる 今日も晴れたよ 窓を開けよう ほら小鳥たちが鳴いてる 青い空が眩しい さあ起きなきゃ おはよう! 目が覚めた?」。「メリー・ウィドウで昼食を」は「コーヒー飲むならブラックで 紅茶はたっぷりミルクを入れて 日替わりランチは何だろね メリー・ウィドウで昼食を」。「大好きなあなたへ」は、サビの部分で「ありがとう 大好きなあなたへ これからずっと一緒にいてくださいって お願いしました」ってな感じ。そのうちこの歌詞でイメージソング歌を作る予定です(大嘘)。

6.背景写真

背景写真は、一部素材も使っていますが、大半は私が自分で撮影したものを加工してます。病院の写真は私が最初に勤めていたところと、今勤めているところと、あとは素材。手術室の写真の素材なんてないから、わざわざ私が以前勤めていた病院まで行って撮りました。ちなみに、ゲームを初めて最初に出る画像は、私の部屋です(笑)。

他にも、神社は子供の頃によく遊んだI神社。めぐみの高校の写真は私の母校、S関市立Yの田中学校。駅の写真はJR長府駅です。人が少ない時間を見計らって撮りました。そしてマラソンのシーンで出てくる道路は、私の家から車で10分ほどの国道ですが「真っ昼間でかつ車がない」という状況を撮るのに、かなり苦労しました…。陸上競技場の写真は山口市にある維新百年記念公園陸上競技場です。これは、競技場の使用予定を調べ、使っていない日を見計らってわざわざ山口まで出かけ、事務所にて「すみません、絵を描く参考にしたいんで、中に入って写真を撮らせていただけませんか?」とお願いしました。

維新百年記念公園陸上競技場事務室の皆様すみません。絵を描くためじゃなく、写真をそのまま使いました(爆)。

7.各キャラクターについて

私自身が、ギャルゲーにありがちな電波キャラを好まないため、みんな普通の人として描いてあります。まずは主人公のめぐみですが、書き上がってみるとえらいわがまま電波娘になってしまったような(笑)。まあ、彼女にはあれくらいやってもらわないと、ストーリーもあまり動かないだろうし、まあいいかなと。

梓は、「彼の目を通して、物語を読み手に見せる役」ですから、とにかく嫌味がなく、感情移入しやすい「いい奴」として書いてみました。不言実行、常に一歩引いたところから陰に日向にめぐみをサポート、という。とか言いつつ、最初の段階では「これじゃ梓はいてもいなくても同じじゃん」な状態で、こりゃいかんと急遽色んなエピソードを足したりしてますが。

後は適当に…(適当なのか?)。片桐は、どんなタイプの医師として書こうか迷ったんですが、何せ主人公のめぐみがあの有様ですから(笑)、無口で厳しいが患者想い、けど不器用という、ああいうタイプになりました。ひろ子は、片桐1人では病院周りの描写がいろいろと厳しいので必然的に登場。和美は、今風なんだけど一本芯の通った少女として書きました。作者個人としてもこの辺りのキャラは気に入っています。

とまあこんなところでしょうか。もっとも、こんなものはゲーム本編を楽しんでいただけさえすれば、全く読む必要のないものですけどね。本編を楽しまれた方が、少しでもこの駄文で楽しんでいただければ幸いです。

それでは、次回作(作る気あるのか?)でお会いしましょう。


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